オークマ工塗ブログ [WEB LOG]

ナイロン素材・特性と塗装の相性を限界まで突き詰める。

先日、ナイロン素材の成型メーカー様のとことへ取材に行って参りました。と言いますのも、当社には毎月のように「ナイロン素材へ塗装できますか?」と、問い合わせがあるのです。

 

また、ホームページの解析を見ても「ナイロン素材 塗装」についての関心が高いことも伺えます。そこで私たちオークマ営業部は「よりお客様のお役に立つコンテンツ作りをしよう!その為には情報収集だ!」と早速、ナイロンを扱う成形メーカー様への取材計画に出たのでした。

 

今回のブログでは「ナイロン素材への塗装」をテーマに取材した内容を詳しくご紹介させて頂きます。

 

「ナイロン素材への塗装」はなぜ関心が高いのか?

 

なぜ、そんなに「ナイロン素材への塗装」の関心が高いのか…まずはそのことについて話を伺うことにしました。

 

すると業界特有の認識として、「ナイロン素材」と「塗装」は「相性が悪い」とどうやらインプットされているようでした。

 

その相性の悪さによって、成型メーカー様はナイロン素材へ塗装は「できない」や「難しい」の思い込みが、昔から深く根付いていたのです。

 

そのような経験はありませんか?

 

そもそもナイロン素材の特徴や特性から逆算すると、その相性の悪さはなんとなく理解もできたります。

 

ナイロン素材は基より強度のある素材です。耐薬品性・耐熱性・高硬度など、の機能性に優れています。このような厳しい条件を求められる商品用途には、ナイロン素材は最適なのです。

 

また近年では、商品の軽量化やコスト削減により金属素材の代替品として、ナイロン素材への移行が高まっている傾向もあります。一つ例を上げるなら電動工具です。一昔前なら本体部分は金属素材で作られていましたが、現在はナイロン素材が主流になっています。

 

それだけにナイロン素材は、素材そのものに強度を持たせるだけの配合がされています。その一種がガラス繊維です。ガラス繊維以外にもカーボンのような金属性のモノもあります。

 

つまり、そのようなナイロン素材の特性もあって「ナイロン素材には塗装はできない・難しい」と言う認識が、業界人の頭の隅々に浸透している実態があったのでした。

 

なぜ、ナイロン素材は塗装できない?

 

結論から言うとナイロン素材に塗装ができない訳ではありません。

 

過去にも自動車製品や釣具の製品を作った実績はたくさんあります。ただ、塗装と素材と密着の相性は確かに悪いのです。その理由とは、、

 

ナイロン素材は薬品性(溶剤)に強く溶解しづらい。

 

詳しく説明しましょう。

 

塗装の仕組みを説明すると、塗料に含まれた溶剤が素材を溶かし、塗料と素材を密着させるのです。なので、溶剤にすぐ反応するABSの素材なんか抜群に相性が良く密着性も優れています。

 

とは対象的にナイロン素材は、素材の強度が高く耐薬品(溶剤)にも強いが故に密着性がまず懸念されます。また、6・66・12ナイロンの種類やと素材に含むガラス繊維(15%~30%)によっても、密着させる為の塗料の選定は容易ではありません。

 

塗装工程では密着性をより優れた状態にする為に様々なことを行います。そこで最も重要なポイントが「下処理」です。

 

下処理については独自のノウハウもたくさんあるのでここでは公開しませんが、下処理の技術によって密着性は大きく変わります。むしろ下処理の技術こそカギを握ると言っても過言ではありません。

 

そのような理由から、ナイロンを扱う成型メーカー様は塗装や装飾たるものからは、一線を引いている実態があったのです。つまり、リスクを背負ってまで塗装する必要があるかの判断が難しいのですね。ですが、

 

リスク以上にナイロン素材への装飾に期待があるのもこれもまた事実なのです。

 

実際に商品メーカー様からの依頼にも「塗装有り」など表記されている図面は少なくはありません。「可能ならば色をつけたい」これこそ商品メーカー様が最も求める“願い”でもあるのです。

 

ナイロン素材への塗装ができた時の期待とは?

 

では、ナイロン素材そのものに着色はできなのか?実はそうでもありません。ナイロン樹脂に顔料を練り込み着色することは可能です。しかし、色合いに限界があります。

 

「素材に顔料を練り込み着色する」 この工程では実現できる色目に限界があります。例えば、グレーや黒など…そのような当たり障りのない色目でも、それでも色はバラつくと言うのだから、品質管理も困難だと思われます。

 

そんなナイロン素材の商品に鮮やかな色を実現したい。

 

その為に何をするか?そこで求められるのが塗装なのです。

 

無機質だったナイロン素材に塗装で鮮やかな色を演出すればどうでしょうか。色(塗装)によって新しい価値を持って生まれ変わりますよね。

 

「ナイロン素材に塗装はできない」

 

この業界ならではの常識を覆す「新しいモノ作り」を時代が求めているのです。

 

塗装屋としてはっきり言えることは…

 

ナイロン素材への塗装は可能です。しかし、残念ながら簡単な話でもありません。

 

そこで、このブログを読みになっているナイロンを扱うメーカー様がいましたら、ぜひお願いしたいことがあります。

 

処分するナイロン素材がありまたらオークマ工塗まで支給してください。

 

これからオークマ工塗は「ナイロン素材への塗装」において、試作開発を実施するプロジェクトを始めることにしました。

 

「ナイロン」と言ってもそれはそれは幅広い素材で、メーカー様の様々な製造方法であったり、ナイロンに含まれる成分の違いであったり、まったく同じ「ナイロン」が量産されている訳ではありません。

 

そこで私たちオークマ工塗は、ナイロン素材に適応する塗装の「カタログ」的なモノを作っていこうと思うのです。

 

例えば、ナイロン素材の品名を聞かせてもらうと、この「ナイロンにはこの塗装方法が使えますよ」的な、一目見て判断ができるようなメニューがあれば、お客様的にもかなりメリットがありますよね。

 

簡単に説明するとナイロン素材と塗装のデータ収集です。

 

その為にも…

 

もし、必要のない不良品や端材がありましたら、ぜひ当社に支給して頂きたいのです。

 

もちろん、データ収集での試作開発の案件については「無償」でお受け致します。
データ結果もすべて開示致します。

 

どうせ必要なく捨てるのであれば、その素材を再生して新しい価値に変えていこうじゃありませんか。

 

ナイロン素材に新しい未来を

 

このプロジェクトに興味や関心がある方
はいつでもお気軽にご相談ください^^

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「ダイキャスト製品塗装で最重要「下処理」とは?」の資料をダウンロードいただけます。


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