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焼付塗装の剥がれ問題を未然に防ぐための基礎知識と実践例

 

焼付塗装の剥がれとその対策

 

1. はじめに

こんにちわ!東大阪の部品焼付塗装メーカーオークマ工塗の中川です。
焼付塗装の剥がれは、塗装業界において非常に厄介な問題です。特にものづくりの業界では、その影響が深刻であり、品質管理の観点からも見逃せません。しかし、剥がれというトラブルが発生すると、製品の信頼性が損なわれ、顧客からのクレームや追加コストが発生する可能性があります。この問題を理解し、適切な対策を講じることで、製品の品質を向上させることができます。

焼付塗装 剥がれ 密着不良

2. 焼付塗装の剥がれが起きる主な原因

焼付塗装が剥がれる原因は多岐にわたります。ここでは主な原因を3つに分類してご紹介します。

(1) 素材の要因

  • 表面の不備: 素材表面に油分やゴミが付着していると、塗料がしっかり密着しません。
  • 前処理不足: サンドブラストや脱脂処理が不十分な場合、剥がれのリスクが高まります。

弊社では密着不良の80%は下処理の問題であると考えています。下処理については以下のブログでも詳しく解説しております。

(2) 塗装プロセスの要因

  • 塗料選定のミス: 使用する塗料が素材や用途に適していない場合、耐久性が低下します。
  • 焼付温度と時間の問題: 焼付温度が低すぎる、または焼付時間が短いと塗膜が硬化せず、剥がれやすくなります。

例えば、冬は冬用シンナーを使用したり、窯の温度を季節ごとに調整したり、様々な工夫が必要です。

(3) 外部環境の要因

  • 粉塵や静電気: 塗装中に環境中の粉塵や静電気が塗膜に混入すると、塗装面が不均一になり剥がれの原因になります。
  • 湿度や温度: 塗装作業時の環境条件も密着性に影響を与えます。

日々の環境変化にも気を配る必要があります。

3. 剥がれを防ぐための対策

(1) 品質管理の徹底

  • 塗料の管理: 使用期限内の塗料を正確に計測し、適切に混合することが重要です。
  • 素材の洗浄と前処理: 塗装前の表面洗浄を徹底し、脱脂やサンドブラストで素材を最適な状態に整えます。

(2) 技術的改善

  • 焼付工程の見直し: 焼付温度と時間を適正に設定し、均一な硬化を実現します。
  • 特殊技術の採用: 特殊な塗料や塗装方法を導入することで、剥がれにくい塗膜を形成できます。

(3) 検査工程の強化

  • 定期的な試験: 引っ張り試験や塗膜厚さの測定など適切な検査を行い、品質を確認します。
  • トラブルの早期発見: 小さな不良でも早期に発見し、修正する体制を構築します。

4. 実例紹介:剥がれトラブルとその解決策

弊社では様々な密着不良の問題解決に携わってきました。焼付塗装ではありませんが、過去にナイロン素材の剥がれの問題を解決した事例をご紹介します。

詳しくはこちら

5. 焼付塗装トラブルを防ぐための設計と運用

設計段階の工夫: 製品設計時から塗料や塗装プロセスを考慮することで、剥がれを防ぐ設計が可能です。

6. まとめとお問い合わせ

焼付塗装の剥がれは、適切な対策と管理で未然に防ぐことが可能です。トラブルを回避するためには、塗装プロセスの見直しや最新技術の導入が欠かせません。

株式会社オークマ工塗では、塗装に関する課題を解決するためのご相談を随時受け付けております。お困りの際は、ぜひ気軽にご連絡ください。


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