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焼付塗装とは?アルミや金属製品への最適な表面処理方法とそのメリット

金属製品において「美観」や「耐久性」を向上させるために欠かせないのが焼付塗装です。 本記事では、アルミやステンレスなどの金属に適した焼付塗装の特徴や工程、塗料の種類、用途ごとの最適な選び方について詳しく解説します。

焼付塗装とは?基本の仕組み・概要

焼付塗装(やきつけとそう)とは、金属や一部の樹脂製品などの表面に塗料を塗布したあと、 それを高温で加熱して塗膜(塗装の膜)を硬化させる特殊な塗装方法のことを指します。 単なる自然乾燥ではなく、熱の力を利用して化学反応を促し、強固な塗膜を形成するのが大きな特徴です。

 

焼付塗装の仕組み

一般的な工程としては、以下のような流れで行われます。

・素地処理(下地処理)

サビや油分などをしっかり除去することで、塗料の密着性を高めます。ブラスト処理や脱脂洗浄、リン酸亜鉛処理、リン酸鉄処理、クロム酸処理などが使われます。

・塗装(塗料の塗布)  

スプレーや粉体ガンなどを使って、液体または粉体の塗料を均一に塗布します。

・乾燥・焼付(加熱)  

塗装後、150℃〜200℃程度の高温で20〜30分間加熱します。この熱処理によって塗料が化学反応を起こし、硬くて耐久性の高い塗膜に変化します。

 

焼付塗装の特徴とメリット

焼付塗装は、主に金属製品に多く使われています。たとえば、自動車部品、建築金物、家電製品、産業機械の筐体などがその例です。

焼付塗装には以下のようなメリットがあります。

密着性が高い:下地と塗膜がしっかり結びつき、剥がれにくい。

耐候性・耐食性に優れる:屋外でも長期間、塗装が劣化しにくい。

硬度・耐摩耗性がある:表面が硬いため、傷がつきにくく長持ち。

見た目が美しい:ツヤや色味が均一で、仕上がりがきれい。

 

一般塗装との違い

一般的な常温乾燥型の塗装と比べて、焼付塗装は設備や工程に手間はかかるものの、耐久性・性能、また作業面では格段に上回るという点がポイントです。

 

 

 

焼付塗装に使用される主な素材と塗料の種類

焼付塗装は、その仕上がりの美しさと高い耐久性から、さまざまな製品に採用されている塗装技術です。 その性能を最大限に引き出すためには、使用する素材(母材)と塗料の種類の組み合わせが非常に重要です。 ここでは、焼付塗装でよく使われる金属素材と、代表的な塗料の種類について詳しくご紹介します。

 使用される主な素材(金属)

焼付塗装の対象となる素材は、主に以下の金属類です

 ・アルミニウム(アルミダイカスト)

軽くて加工しやすく、腐食にも強いため、建築外装材や屋外看板、車両部品などで多用されます。ただし、塗料の密着性を高めるためには、クロム酸処理などの適切な前処理が必要です。

 ・鉄(スチール)

コストが安く、汎用性が高いため、家具や建築資材、機械部品など幅広い分野で使用されています。サビが出やすいため、リン酸亜鉛処理などの防錆処理が欠かせません。

 ・ステンレス

耐食性が高く、高級感もあるため、厨房機器や医療機器などでも使用されます。表面が滑らかで塗料が付きにくい傾向があるため、下処理・プライマー・塗料の選定が重要です。

使用される主な塗料の種類

焼付塗装で使われる塗料は、熱を加えることで硬化する「熱硬化型塗料」が中心です。それぞれの塗料には、耐候性やコスト、安全性などの面で異なる特長があります。

アクリル樹脂系焼付塗料

• 特長:優れた耐候性と透明感のある美しい光沢が魅力。紫外線にも強く、色褪せしにくい。

• 主な用途:屋外サイン、自動車部品、アルミ建材など。

• 注意点:比較的高価で、硬度はやや低めな傾向があります。

メラミン樹脂系焼付塗料

• 特長:乾燥・硬化時間が短く、コストパフォーマンスに優れる。塗膜のツヤも良好。

• 主な用途:スチール家具、家電筐体、室内照明器具など。

• 注意点:耐候性はやや劣るため、屋内使用が前提です。

粉体塗装(パウダーコーティング)

• 特長:溶剤を使わない環境配慮型の塗装。塗膜が厚く均一で、非常に高い耐久性・耐食性を発揮します。

• 主な用途:エクステリア製品、産業機械、自転車フレーム、家電製品など。

• 注意点:一度に塗膜が厚くなるため、細かな表現や薄膜が求められる部品には不向きな場合があります。

素材と塗料の組み合わせに注意

焼付塗装では、素材と塗料の相性がとても重要です。たとえば、アルミにメラミン塗料をそのまま塗ると、密着が悪くなる可能性があります。

このため、事前に行う前処理(下地処理)が、塗膜性能の鍵を握ります。詳しくはこちらのブログをご覧ください。 下処理ブログリンク

また、製品の使用環境(屋内か屋外か、海沿いか内陸か)や、求められる外観・耐久性のレベルに応じて、塗料の選定や塗装方法をカスタマイズするのが、焼付塗装の成功のポイントです。

焼付塗装の工程とポイント

脱脂・洗浄:油分や汚れを取り除きます。 前処理(化成処理など):塗料の密着性を高めるための処理を行います。

塗装(スプレーまたは粉体):素材に均一に塗布します。

焼付(加熱乾燥):塗膜を硬化させます。温度と時間の管理が重要。

冷却・検査:冷却後、仕上がりの品質チェックを行います。

各工程における品質管理が、最終的な耐久性と美観に直結します。

焼付塗装のメリットと耐久性

高い密着性:前処理と焼付により、塗膜がしっかりと素材に密着します。

優れた耐候性・耐食性:屋外や湿気の多い環境でも長期間美観を保てます。

美しい仕上がり:光沢や色の均一性に優れ、製品の見栄えを向上できます。

 

製品別・用途別おすすめの塗装方法

建築用パネルやサッシ:耐候性の高いアクリル樹脂塗料がおすすめです。

家電製品や家具:美観とコストのバランスが取れたメラミン樹脂塗料がおすすめです。

用途に応じて塗料の選定と処理方法を最適化することで、製品の品質と寿命を向上させることが可能です。

最適な塗装法が不明な場合でもお任せください。 弊社では塗装を選択するための指標として「4つの最適」をお伝えしています。

1 . 塗装方法の最適 2 . 塗料の最適 3 . 塗装品質の最適 4 . 塗装コストの最適 です。丁寧に提案しますので、お気軽にご相談ください^^

焼付塗装の品質を高める技術とは

前処理技術:サンドブラストや化成処理により、塗料の密着性が大幅に向上します。

自動塗装ロボットライン:均一な塗布を可能にし、生産効率と品質を両立できます。

温度管理・焼付技術:素材ごとに最適な加熱条件を徹底的に管理します。

検査体制:塗膜厚さ、外観、密着性など、見落としのない検査を実施します。

当社の塗装サービスの特徴と対応範囲

・アルミ、鉄、ステンレス 各種 幅広い素材に対応します。

・小ロットから量産まで柔軟に対応します。

・アクリル・メラミン塗装など多様な塗装技術と経験を持っています。

・下処理~塗装まで自社工場での一貫加工により短納期を実現できます。

・お客様の用途に応じた塗装仕様のご提案も可能です。ぜひお気軽にご相談ください!

よくある質問(FAQ)

Q. 焼付塗装と通常の塗装の違いは?

A. 焼付塗装は高温で加熱して塗膜を硬化させるため、耐久性や密着性が格段に高くなります。

Q. アルミにも塗装できますか?

A. はい、適切な前処理を行うことで密着性の高い塗装が可能です。

Q. 見積もりには何が必要ですか?

A. 素材、サイズ、数量、用途などの情報をご提示いただけるとスムーズです。

まとめ

焼付塗装は、アルミや金属製品に美観と耐久性を付加する優れた処理方法です。

塗料や素材、用途に応じて最適な方法を選ぶことで、製品の価値を最大限に引き出すことができます。

お問い合わせ・ご相談はこちら

塗装に関するご相談やお見積もり依頼は、以下の連絡先またはお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

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TEL: 072-988-1363 FAX: 072-987-6959

 


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