塗装の社外化・内製化を検討中の企業様へ|“人”と“環境”がカギを握る品質の話
製造業において「一貫製造」は理想的なスタイルとされています。
しかし、なかには塗装工程だけを外注(社外化)するという企業も一定数存在します。なぜ“塗装だけ”を社外化するのでしょうか?
この記事では、塗装の社外化・内製化のメリット・デメリットを整理しながら、塗装品質の安定に欠かせない“人”と“環境”の重要性について解説します。
装に課題を感じている製造現場のご担当者様は、ぜひご一読ください。
塗装部門の社外化が選ばれる理由とは?
塗装工程だけを社外化する企業が多い理由として、最も大きいのが「人の問題」です。
塗装現場は、くさい・きたない・危険、いわゆる3Kのイメージが根強く、若手人材の定着率が低い傾向にあります。
人が集まらない、育たない、辞めてしまう――。このような状況では、安定した品質を保つのが困難になり、結果として社外化を検討する企業が増えているのです。
一貫製造と内製塗装のメリット・デメリット
内製化のメリット
– 工程全体の品質とスピードをコントロールしやすい
– 社内での情報共有やトラブル対応が迅速
– 製造ノウハウの蓄積による競争力向上
内製化のデメリット
– 塗装技術者の確保・育成が困難
– 設備投資・環境整備のコストが高い
– 季節や作業者の影響で品質が不安定になるリスク
このように、塗装の内製化には大きなメリットもある一方で、“人”と“環境”という2つの課題が常に付きまといます。
塗装品質の安定は「環境」に左右される
塗装は、気温・湿度・風の流れ、さらには作業者の動きや熟練度など、複合的な要因が品質に影響を与える工程です。
そのため、「ただ塗るだけ」と思われがちなこの作業は、実は非常に高度な環境制御が求められる繊細な工程でもあります。
ブース内の温度がわずかに変化するだけで、塗料の乾き具合が変わり、仕上がりにも差が出る可能性もあります。
つまり、塗装品質の安定には、精密な“環境づくり”が不可欠なのです。
塗装工程における“人”の課題とは
熟練者の引退、新人の離職。塗装現場は、技術継承の面でも大きな課題を抱えています。
さらに、新人が入っても「においがきつい」「作業が地味」「夏は暑くて冬は寒い」といった理由から、長く続かない傾向があります。
このような背景から、「社外のプロに任せた方がいいのでは」と考える企業が増えるのは、ある意味で自然な流れかもしれません。
現場改善のリアル事例|オークマ工塗の取り組み
私たち株式会社オークマ工塗では、「3Kと言わせない塗装現場」を目指し、現場改善に力を入れています。
塗装ブースの空調改善と作業環境
塗装ブースでは、常に空気が流れている状態で、周囲には乾燥炉もあるため、室温の維持がとても難しいのが実情です。
しかし、近年の空調設備の進化により、ついにその問題を大きく改善することができました。
2024年冬、最新の空調システムを導入し、寒さに悩まされていた冬場の作業環境を劇的に改善しました。
25年のベテラン職人も、「この寒さから解放された」と嬉しそうに語ってくれました。夏場の効果にも期待大です^^
3Kからの脱却を目指す現場チームの努力
制度や設備だけでなく、現場の従業員全員が「3Kをなくす」ためのアイデアを出し合う文化を大切にしています。
・においを抑える換気方法
・3S活動、改善活動
・危険箇所の見える化
こうした地道な努力が、働きやすさだけでなく、結果的に塗装品質の安定にもつながっていると実感しています。
外注先を選ぶときの3つのチェックポイント
塗装の社外化を考える際、価格や納期だけで選ぶのは危険です。以下の3つの視点で外注先を見極めましょう。
1. 環境整備への取り組み
→ 空調・ブース管理・安全対策など、塗装環境が整っているか。
2. 人材育成と現場の安定性
→ 長く働く職人が多く、技術継承が行われているか。
3. 柔軟な対応力とトラブル対応
→ 現場目線で相談に乗ってくれる体制があるか。
よくある質問(FAQ)
Q. 塗装工程を社外化するリスクはありますか?
A.あります。コミュニケーション不足や品質のすり合わせ不足によるトラブルが起きやすくなります。事前に仕様確認や試作を行うなどの対策が必要です。
Q. オークマ工塗ではどんな塗装対応が可能?
A.金属部品を中心とした焼付塗装をはじめ、要望に応じた特殊塗装にも対応しております。まずはお気軽にご相談ください。
Q. 見積もりや現場見学は可能ですか?
A. はい、無料で対応しております。オンラインでのお打ち合わせも可能です。
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まとめ|塗装品質の安定は“現場力”から生まれる
塗装の社外化・内製化、それぞれにメリットと課題があります。
しかし、最も重要なのはどれだけ“人”と“環境”に真剣に向き合っているか。
株式会社オークマ工塗では、現場からの改善を通じて、安定した塗装品質を追求し続けています。
