焼付塗装 メラミン塗装・アクリル塗装・ウレタン塗装の違いを分かりやすく徹底解説!
こんにちは。オークマ工塗の寺倉です。
「メラミン塗装と、アクリル塗装と、ウレタン塗装、
それぞれどう違うの・・・?」
と悩んでいる担当者の方いらっしゃいませんか?
そんな方に向けて、塗装業界が全く分からない方でも理解できる、
それぞれの塗装の違いについて記事を書きました!
それぞれ使用する塗料が違うのですが、
各塗装(塗料)にはメリット、デメリットがありますので
塗装、塗料選定する時に役に立てばと思います^^
目次
メラミン焼付塗装とは
使用する塗料は、名前のとおり「メラミン樹脂」を主成分とした塗料になります。
(メラミンとは・・・有機化合物の一種で、、メラミン樹脂の主原料です。
プラスチック食器などがイメージしやすいかと思います!)
この塗料は温度を上げて乾燥が必要になる為、
乾燥方法は乾燥炉を使った焼付となります。
これを塗装業界では、メラミン焼付塗装、
メラミン塗装、メラミン樹脂塗装、等と呼びます。
対応素材は、アルミ関係 亜鉛 鉄 などの金属商品です。
メラミン塗装の一般的な使用用途は、
屋内に使用される商品や部品に多く見られます。
例えば、建築の内装部材や工場設備。
身近な物ですと、事務機器、ロッカーや棚などです。
メラミン焼付塗装のメリットとデメリット
メラミン塗装の最大のメリットは、他の塗料と比べ塗料が安価な事です。
その為完成品のコストを抑えることが出来ます。
対してデメリットは、唯一の欠点として
紫外線で劣化してしまう為、屋外使用には不向きな事です。
年数が立つと、退色が生じ、粉が吹いたような状態になります。
メラミン塗装の塗装方法
メラミン塗装の塗装工程は、大きく分けて3工程です。
①下処理(防錆皮膜処理)
②下塗り(プライマー)
③上塗り (メラミン塗料)
但し、プライマーは使用状況や素材によります。
間違った工程を踏むと、密着が弱くなったり、不良の原因となります。
メラミン塗装の乾燥条件(焼付温度)は、
物体温度で120°×20分程度です。
こちらも、状況により温度と時間の差があります。
他の塗装との違い
・屋内に使用される商品や部品によく使用されます。
・紫外線で劣化してしまう為、屋外使用には不向きです。
・他の塗料と比べ塗料が安価です。
アクリル焼付塗装とは
アクリル焼付塗装は、
主に屋外に使用される商品、部品に多く使用されます。
使用塗料は、こちらも名前の通り、
「アクリル樹脂」を主成分としたアクリル塗料になります。
(アクリルとは・・・
石油から取れる「アクリロニトリル」を原料とする合成繊維です。
セーターによく使われる素材です。)
メラミン塗装同様、温度を上げて乾燥が必要になる為、
乾燥方法は乾燥炉を使った焼付になります。
これを塗装業界では、アクリル焼付塗装、アクリル塗装、と呼びます。
対応素材は、
アルミ関係 鉄などの金属商品
(亜鉛・メッキ品などは焼付温度により不可)です。
電気機器や車、工業製品、屋内品の金属部品などが
一般的な使用用途になります。
アクリル焼付塗装のメリットとデメリット
耐候性・耐食性・隊汚染性・耐薬品性などに優れている為、
長期的なコストでみるとメリットがあると思われます。
しかし、メラミン塗料と比べると少し高いのがデメリットです。
また、塗料の性質的にメラミン塗料やウレタン塗料程、厚塗りができません。(通常15ミクロン程度)
アクリル焼付塗装の塗装工程
アクリル塗装の塗装工程も、メラミン塗装と同じく大きく分けて3工程です。
①下処理(防錆皮膜処理)
②下塗り(プライマー)
③上塗り (アクリル)
但し、プライマーは使用状況や素材によります。
間違った工程を踏むと、密着が弱くなったり、不良の原因となります。
アクリル塗装の乾燥条件 (焼付温度) は、
物体温度で150°~180°×20分程度です。
こちらも、状況により温度と時間の差があります。
他の塗装との違い
・屋外に使用される商品、部品に多く使用されます。
・メラミン塗料と比べると少し高いです。
・メラミン塗料やウレタン塗料程、厚塗りができません。
ウレタン塗装とは
名前のとおりウレタン塗装の塗料はもちろん「ウレタンを主成分」とした塗料になります。
(ウレタンとは・・・『ポリウレタン』が正式名称です。
簡単に言えば、液体薬品を化学反応で膨らませて固めた素材です。
台所用スポンジやクッションをイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。)
ウレタン塗装と聞くとほとんどの方は水性で
家の外壁やテーマパークの塗装をイメージされるのではないでしょうか??
しかし弊社で使用している塗料はほとんどが油性タイプの2液性です。
塗料は主剤と硬化剤をまぜシンナーで割って使用するのです。
硬化剤がはいる事で時間がかかりますが、常温でも乾燥します。
弊社では素材対応温度以下の60°~80°温度をかけ強制乾燥をしています。
ウレタン塗装の対応素材は、
ABS アクリル PCなどの樹脂素材 金属など様々な素材に対応可能です。
(但し素材との相性がある為、経験が必要です。)
ウレタン塗装のメリットとデメリット
ウレタン塗装のメリットは、樹脂にはもちろん、金属にも塗装する事が出来ます。
また、美観に優れており機能性にも優れている高品質の塗装です。
例えば、化粧品や美観を重視する自動車部品や家電部品などに、
ウレタン塗料はよく使用されます。
車の修理の時もウレタン塗料が使用されています。
但し、素材によってはシンナーが強すぎて
素材をダメにしてしまう事もありますので経験が必要です。
また、デメリットとして
アクリル塗料やメラミン塗料と比べると塗料費が高く、
乾燥にも時間がかかります。
その為、焼き付け塗装のアクリルやメラミンに比べると
作業効率が悪く作業代も高くなります。
ウレタン塗装の塗装工程
アクリル塗装の塗装工程も、他と同様と同じく大きく分けて3工程です。
但し、下処理と下塗り工程が異なります。
①下処理(ヘキサン拭取)
②下塗り(ミッチャクロンなど)
③上塗り(ウレタン)
アクリル塗装の乾燥条件 (焼付温度) は、
素材により 60°~100° 30分~50分です。
強制乾燥で塗料成分中の90%以上のシンナーは揮発します。
他の塗装との違い
・美観に優れており機能性にも優れています。
・ABS・アクリル・PCなどの樹脂素材にも塗装可能です。
・塗料費が高く、乾燥にも時間がかかる為、作業効率が悪く作業代も高くなります。
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まとめ
いかがでしたでしょうか??
塗料、塗装によって塗れる素材も変われば、作業内容も変わります。
簡単にまとめるた表があるので、ぜひ参考にしてみて下さい。
また、塗装事例でも各塗装の事例を挙げてますので、ご覧ください。
弊社では塗装の事がわからなくても
素材・使用用途を教えていただければ
こちらでどの塗装が向いているのか
どの塗料を使用するかなど判断しお見積りいたします。
まだまだ色々な塗料、塗装がありますので
聞きたい事があれば問い合わせにて電話、メールお待ちしています。
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