塗装プロデューサーとして「4つの最適」を提供します。
こんにちは、オークマ工塗代表の大熊です。私が「問題解決型塗装」をテーマに、塗装プロ
デューサーとして活動を始めたのは約10年前のことです。
始まりは塗装職人として現場で修行を積みました。その後、営業に部署を移し数々のお客様
と、あらゆる塗装問題の解決を努め、その経験を基に塗装をプロデュースする立場となり、か
れこれ34年のキャリアになります。
その間、様々な部品塗装の問題を経験してきました。
私が塗装の仕事を始めたのはバブル景気の終盤の頃でした。仕事は溢れ返る時代…お客様に
仕事をどれだけ断っても「何が何でもやってくれ」と、毎日のように商品を持ち込まれては、
現場は残業に追われていた日々を、今は懐かしく思います。
思い返せばありがたいの一言です。当時はそんなことを考えるより、目の前の仕事を少しで
も進めることで、めいっぱいでした…
塗装業は完全な下請け業で形を持たない加工業
塗装業というものは、完全な下請け業で形を持たない加工業です。塗装をする素材(プレス
品・ダイキャスト品・プラスチック製品など)の製造メーカー様が我々の顧客であり、お客様
の商品を預かり、色(塗装)を付けて商品を返却する、それが塗装屋の役目です。
なので、製造工程はすべてお客様の生産状況や生産ラインが基準となり、その基準に合わせ
て塗装品を供給することになります。つまり、我々が自ら生産計画を立てることはできないの
です。
そして、お客様から見ると塗装業の性質はわかりにくいものです。素材の違い・大きさの違
い・性能の違い・品質の違いなどに対応する設備や技術がわかりにくいのです。更に、塗装業
は数値管理がしにくいので、生産数や品質などは、目視で管理しづらいこともあります。設備
的にも機械による生産管理の幅が大きく、まだまだ人為的な要素もたくさんあります。
しかし、そのような事情を知らないお客様からすると、素材をドンドン放り込めば商品は仕
上がってくる、品質も良くキレイなものが仕上がってくる、そう思うのは当然かも知れません。
塗装プロデューサーとして…「もっと本来の塗装を伝えなければ…」
我々、塗装業で出来ることの幅は広いですが、逆に言えば専門外の仕事を受注する率も高く
なります。たとえば、
プラスチック素材を得意としている塗装屋さんに、金属素材の塗装を依頼してもできてしま
うのです。ですが、プラスチック素材と金属素材を同じラインで塗装することは、容易なもの
ではありません。そこには大きな問題があります。
それぞれの素材の特性を知らなくて塗装をすると、見た目にはキレイであっても、後から腐
食してくるなどの問題が発生します。また、品質管理にしても、それぞれの業界の特性にあっ
た品質管理を理解していないと問題が発生します。それは塗料の選択においても同じです。
そういった素材や塗料の特性や問題を知らずに塗装を施すと、結果的にお客様は高い買い物
をすることになるのです。
そのような経緯があって「お客様が本当に必要な塗装を選別できるように」と、私は「塗装
プロデューサー」として活動し、お客様に幅広い知識を持って、最適な塗装方法を提案するこ
とにしました。
当社で、塗装の問題を100%解決できるかと言うと、決してそうではありません。我々のグル
ープ企業と連携し、他の塗装屋さんを紹介したり、塗料の選定などのアドバイスをすることで、
より最適な塗装方法に繋がるのです。
塗装業界の満足度UPが、引いては「塗装をもっと使いたい」・「塗装で新しい商品にチャレ
ンジしたい」など、業界の底上げに貢献できると、私はそう考えているのです。
塗装プロデューサーとしての使命。「4つの最適」を伝える
お客様の中には、塗装はよくわからない・塗装の管理は難しい・塗装はリスクが高いなど、
言われることが多々あります。しかし、それは最適な塗装に出会っていないからです。最適な
塗装を提供することで、塗装本来の目的である素材の性能U P・価値U Pに繋がります。また、
無垢な素材にアレンジ(色)を加える工程こそ、塗装が「楽しい」と思える瞬間ではないでし
ょうか。
私は塗装を選択するための指標として「4つの最適」を伝えています。それは、
1 . 塗装方法の最適
2 . 塗料の最適
3 . 塗装品質の最適
4 . 塗装コストの最適
この「4つの最適」については、次回のブログで詳しくお伝えしたいと思います。
わかりにくい塗装の世界も、これら「4つの最適」を分析することで、論理的に理解すること
ができます。
今後とも微力ながら問題解決型「塗装プロデューサー」として、私は「4つの最適」を提供し
ていきたいと思っています。