塗装で問題解決
アルミ・亜鉛ダイキャスト塗装、鋳物塗装30年

他社で断られた方、価格が合わなかった方、
ダイキャスト塗装の量産について、お気軽にご相談ください!

アルミ・亜鉛ダイキャストの特徴

ダイキャスト製品に塗装する上で注意するべきことは「脱脂の工程」です。生地には特殊な機械油が付着している為に、完全にその油を落としきる必要があります。

当社では、ダイキャスト製品に備えた、専用の下処理設備を抱えております。

[使用用途]家電・建材部品・自動車・機械部品など、様々な所に使用。
[ 特 徴 ]形状が複雑・下処理による脱脂が必要。
[ 短 所 ]鋳造の変化により、仕上げに影響する場合がある。 亜鉛ダイキャストは、焼付乾燥時い変形の恐れがある。
[乾燥温度]160度×20分 焼付乾燥 100℃×20 低温焼付
[使用塗料]メラミン・アクリル・アクリルウレタン・アクリルラッカーなど。
[注意点]ダイキャスト関連は複合材なので、ロット管理で密着検査を行う。

ダイキャスト(ダイカスト)の概要

金属塗装で多いものの一つとして
ダイキャスト(ダイカスト)製品

ダイキャスト(ダイカスト)とは、アルミニウム・亜鉛・マグネシウム・銅などの合金を金型内に圧入し、成形する鋳造方法です。精巧な寸法・正確で美しい仕上がり、複雑な形状の製品が量産できるため、その工法は金属加工業界の中でも評価されています。

ダイキャスト(ダイカスト)の8~9割は自動車部品であります。その他にも皆さんが使っている家電製品・建築部材・機械部品など多くの製品に使われています。
参考までに他の金属加工方法も下記に記します。

主な金属加工法の種類と特徴

加工法概略特徴
切削加工切削工具類を用いて、素材を切ったり削ったりして成形する・複雑な形状の加工ができる
・高精度な加工ができる
・多品種少量生産に対応できる
・ほとんどの金属に適用できる
プレス加工対になった金型の間に挟んだ素材に強い力を加えることで成形する・加工速度が著しく速い
・製造コストが低い
・薄肉化が可能・形状の自由度が低い
溶接加工2つ以上の部材に、熱や力を加えて溶融・一体化させて成形する・製作費が安価にできる
・工数の節減ができる
・変形、膨張収縮、残留応力により破壊することがある
粉末冶金金属粉末を金型に入れて、圧縮成形し、溶融点以下の温度で加熱焼結して成形する・精度が高く機械加工が省略できる
・大量生産ができる
・高融点、難加工材料にも適用できる
・大型形状の製造が困難である
鍛造加工素材に打撃・加圧などの機械的な力を加えて成形する ・メタルフローが得られ強度が向上する
・組織が緻密で内部欠陥がない
・機械加工が省略、または節減できる
鋳造加工 溶解した金属を型に注入して、冷却・凝固させて成形する・形状、大きさの自由度が高い
・ほとんどの金属に適用できる
・1個でも数万個でも同じものができる

ダイキャストは合金なので素材の成形条件(材料種類・混ざり具合・湯流れ・離型剤)などにより表面状態が変わります。表面状態が変わると言うことは塗装の状態も変わるということです。ひどい場合は密着しないこともあります。最初にそういった素材のばらつきにも対応する塗装工程をしっかりと作り上げることが大切です。

塗装する主なダイキャスト(ダイカスト)は、アルミダイキャストと亜鉛ダイキャストです。最近ではマグネシウムダイキャストも増えてきました。特殊なもので銅ダイキャストもあります。それらの中にも種類があります。塗装するうえでは、それぞれの特性に合わせた塗装を心がけます。

ダイキャスト(ダイカスト)での前処理工程

アルミダイキャスト(ダイカスト)トへの塗装で最も大切な工程は「前処理」です。前処理で半分以上の塗装性能が決まってしまうと言っても過言ではありません。アルミダイキャスト(ダイカスト)の前処理で最適なのは「クロム酸処理」です。

クロム酸処理は安価で防錆・密着力に優れています。近年環境対応により6価クロム処理が避けられ3価クロム・ノンクロム処理に移管しております。ただし気を付けないと行けなのは、性能は圧倒的に6価クロム処理の方が優位です。3価やノンクロムに変更するときは慎重にする必要があります。例えば塗装工程もプライマーを追加する、塗料性能を上げるなどの対応が必要になってきます。

クロム酸処理の前処理工程(オークマ工塗仕様)

アルカリ脱脂1 → アルカリ脱脂2 → 化成処理 → 水洗 → 中和(硝酸)処理→ 水洗 → クロム酸処理(3 価、6価)→ 水洗 → 水洗 → 純水洗 → 湯洗 → 乾燥

塗装下処理

※効果的な前処理を行う為に、素材・形など個々に最適な液管理と時間管理が必要です。当社では自社専用ラインで品物によって個別に工程を組んでいます。

その他、リン酸亜鉛処理やリン酸鉄処理を行うこともありますが、化成反応はしませんので脱脂のみの効果となっております。トリクレン処理やシンナー洗浄なども同様です。

ダイキャスト(ダイカスト)塗装への問題

ダイキャスト(ダイカスト)での塗装の問題として密着不良、外観不良があります。密着不良に関しては、上記の前処理での不具合による要因が70%以上ではありますが、中には最適な塗料でクロム酸処理をしたとしても密着不良はあります。

その原因はダイキャスト(ダイカスト)の特性である合金にあります。材料や金型、成型時のバラつきにより密着不良になることがあるのです。その場合の対策としは、前処理工程を見直すことです。一般的な前処理として

 アルカリ脱脂 → 水洗 → 中和(硝酸)→ 水洗 → 酸処理(ノン、3、6価クロム)→ 水洗 → 純水洗 → 乾燥

となります。その工程がしっかりと行われているかを確認します。次に各工程の時間・液濃度を上げてみるなどを試みて改善を図ります。

それでも、密着が悪い場合があります。その場合は、ショットブラストなど表面を削る工程を入れることです。外観上問題があるなら前処理工程の中でエッチング工程を入れることです。前述したようにダイキャスト(ダイカスト)の塗装は、素材のばらつきに対応する必要があります。その為に表面改質が必要になる場合があるのがポイントです。

逆に言えばしっかりとした前処理工程を踏めば、安価な塗料に変えることや無駄な工程が削減されコストダウンになることもあります。

ダイキャスト(ダイカスト)への塗装事例

リールシート
長さ10cm
アルミダイカスト
インターフォン
160x100x15
アルミダイカスト(ADC12)
サイズ:名刺ケース程度
亜鉛ダイカスト(ZDC)
ブレーキのハンドル
長さ20cm程度
アルミダイカスト(ADC12)
エアガンの持ち手
長さ20cm程度
アルミダイカスト(ADC12)
車両部品
長さ25cm程度
アルミダイカスト(ADC12)

ダイキャスト(ダイカスト)への
塗装する際の注意

ダイキャスト(ダイカスト)への鋳造後に後加工が入ります。ねじ加工、バリ取りや削る工程がある場合は、外観上の問題が出る場合があります。表面の粗さや巣・湯流れなど塗装で見えにくくなる微細なものであればいいのですが、色や塗装工程により目立つものが出てきます。その場合は、塗料・工程の見直しはもちろん、研磨(ペーパー)工程やパテ埋め工程などが必要になる場合があります。
下処理の問題としてネジ穴からの加工油が出てくる場合があります。小さなタップ穴の場合、洗浄工程(前処理)で落ちない場合があります。処理をする場合の並べ方や工程を工夫するのはもちろんですが、事前に焼付乾燥や下処理後のダスター処理など工夫が必要でしょう。

ダイキャスト(ダイカスト)へ
塗装する際の工程

主に外装に使われるものと内装(内部)に使われるものに区別されます。外装部品の塗装ではあれば、対候性・防錆力を持たせる工程になります。

外装部品の塗装
 前処理 → プライマー → 中塗り → 上塗り → 乾燥

塗料は「アクリル」・「ウレタン」などが多く使われます。

内装(内部部品)の塗装であれば、防錆性レベルが低いので単純な工程になります。

内装(内部部品)の塗装
 前処理 → 上塗り → 乾燥

特に外観検査が厳しいものは、間にペーパー処理を入れます。

外観検査が厳しいもの
 前処理 → 下塗り → 乾燥 → ペーパー処理 → 上塗り → 乾燥

塗料は「メラミン」・「アクリル」などが使われます。

 

亜鉛ダイキャストの塗装では、乾燥温度に気をつけないといけません。亜鉛ダイキャストの場合変形温度が低いのです。形状にもよりますが100度を超えると変形する場合が多いです。よって前処理工程・塗装工程の乾燥を低温にする必要があります。塗料もそれに合わせて2液低温乾燥のウレタン塗料などにする必要があります。

高膜厚を付けるアルミダイキャストの事例(ADC12)

膜厚50ミクロン以上

三価クロム酸処理
特殊圧膜アクリル塗料1コート1ベーク

マスキング事例(ADC12)

三価クロム酸処理
アクリル塗料1コート1ベーク

6価クロム酸処理(ADC12)

エポキシメラミン塗料1コート1ベーク