技術情報について
手吹き塗装
手吹き塗装とは、スプレーガンを使用して手動で行う塗装方法です。
工業製品、自動車、家具、芸術作品などさまざまなものに適用されます。この方法では、塗装技術者がスプレーガンを手に持ち、塗料を均一にかつ効果的に対象物に塗布します。手吹き塗装の利点は、特に細かい仕上がりが求められる場合や、特定のエリアに対する精密な作業が必要な際に、非常に細かいコントロールが可能であることです。手吹塗装の実績31年の経験と幅広い知識で最適な品質・納期・コストをご提供しています。
[ 長 所 ] | 小ロット・複雑形状・特殊塗料・様ざまな案件に応用 |
[ 短 所 ] | 量産性・コスト高(単純なもの) |
[塗装形状] | 1mm~最大1mまで塗装可能です。 |
[ 素 材 ] | 鉄・アルミ・チタン・ガラス・ゴム・ABS・ナイロン等ほとんどの素材 |
[ 色 ] | メタリック・パール・メッキ調・陶器調・焼物調・金属調などほとんど色 |
その他 自動車部品(L車種・C車種)オーディオ部品(村田製作所)・家電部品(パナソニック等)多数実績あります。手吹塗装、エアスプレー塗装は小ロット・複雑形状・特殊塗料・などさまざまな案件に最適です。
小ロット多品種に対応。創作塗装ができます。
石目調や焼物調・各種模様塗装、縦炉3×3×5Mの大きさで長尺モノもOKです。
手吹き塗装事例
手吹き塗装によくある課題とご提案
1. ゴミ・ブツなど塗装の不良率に問題がある
塗装のゴミ・ブツは、製品に付着しているもの、空気中の浮遊物、塗料の中に混じっているものなど、複数の原因があります。
ゴミ・ブツの改善のためには、なぜ不良が生じたのかという原因分析と合わせて、塗装環境の改善が求められます。
塗装ゴミ・ブツ問題は、QCDとのバランス問題、しかし、高いQのためには塗装の科学が求められます
塗装ブツは10μmという微小な粒子からも発生してしまいます。それらを完全に無くし、高品質を求めると当然価格があがります。どの程度のゴミ・ブツが許容されるかは、塗装に求める要求品質によって異なりますので、しっかりとお客様のニーズを理解する必要があります。そのためには要求品質をランク分けして、求められるレベルでの塗装を実現できるよう現場をマネジメントします。
ゴミ・ブツ問題で当社にご相談いただくのは、「高品質」が求められる焼付塗装の品質管理です。航空部品や精密部品のように高い塗装品質が求められる部品において、不良率が高いと悩まれるお客様が少なくありません。塗装の品質管理には、「不良を出さないための取組」と「出てしまった不良を修正する取組」と2つの側面がありますが、後者のコストを下げるためには、前者に取り組む必要があります。トータルでの品質コストの削減を実現します。
塗装の不良率低減で得られるメリット
- 高い不良率を見越して多めに発注する必要がなくなり、コスト削減
- 塗装のやり直しが無くなり、リードタイム短縮
- 塗装のやり直しができない材質にも対応します
不良率1%未満を実現する技術があります
当社では完全ゴミ対策のプロセスが組まれた石切工場(クリーンルーム)で、200社以上のお客様の塗装不良問題を解決しています。石切工場ではクリーンルーム内を無電状態にして静電気を無くし、空気の流れもコントロールして品物にホコリを寄せ付けないようマネジメントしています。
アクリル焼付クリヤーコート、ウレタンクリヤーコート等の高品質化、及び、ゴミ不良に関する不良率低減を目的に、日々改善を続けています。
表面に対し0.8㎜のブツゴミ不良の改善が出来ない。塗装不良が原因で検査がスムーズに進まず納期に間に合わない・・などの塗装問題、一度ぜひご相談ください。
石切工場レイアウト 塗装のゴミ・ホコリ対策について詳しくはこちら >>
塗装ゴミ・ブツ対策事例
【問題解決のご提案】品質問題でお困りのお客様
2.塗装の依頼先がキャパオーバーで困っている
オークマ工塗では、職人集団による手吹き塗装の他、塗装ロボットによる塗装の量産にも対応します。 手吹き塗装では難しい、複雑形状の色ムラ、色ブレ、膜厚の均質化、レベリングなどお任せください。
当社塗装ロボットは、塗装職人と同じ動きができるよう、独自開発。複雑形状の部品を均質に塗装できることを強みとしています。 また、東大阪を中心に協力工場が多数ありますので、塗装の依頼先が見つからないような案件も一度ご相談ください。
ロボット塗装 全景
ロボット塗装 手元の動作
【問題解決のご提案】管理問題でお困りのお客様
常にお客様は急いでいます。納期がないお客様は最大のストレスを抱えております。だからこそ生まれたタイムリー管理。
お客様からの在庫確認・資料請求・環境資料等をタイムリーに報告する事ができます。
お客様の一刻の連絡が一番の信頼獲得です。
タイムリーこそお客様が求める一番の品質管理要求事項であります。
・いつも即返答頂き大変助かっております。
逆に頼ってばかりいて申し訳ございません。( I 社様)
・管理が出来る塗装屋さんを探していました。
御社とのお付き合いで管理の心配もなくなりました。(S社様)
3. 焼付塗装とは? 焼付塗装が良いのか分からない
焼付塗装とは
焼付塗装とは、焼付硬化型の塗料に、熱(100~200℃)を加えて硬化させ、素材の硬度や防錆性などを高める塗装です。塗料の種類により、メラミン・メラミンアルキド樹脂系・ウレタン樹脂系・アクリル系・ポリエステル樹脂系・フッ素樹脂系があります。
塗料は、塗装する部品の材質(アルミ、SPCC、SUSなど)や、求める機能(耐食性、耐候性など)によって選択します。焼付温度や焼付時間は、塗装屋によって多少異なり、塗装ノウハウが現れる部分でもあります。
メラミン焼付塗装とは
メラミン焼付塗装は、焼き付け塗装の中でも一番多い塗装です。 使用する塗料はメラミン塗料で、温度を上げて乾燥が必要になるため、乾燥炉を使用して焼き付けます。メラミン焼付塗装、 メラミン塗装、メラミン樹脂塗装、等と呼ばれます。
メラミン焼付塗装は、アルミ、亜鉛、鉄などの金属素材に用いられ、紫外線に弱いため、屋内に使用される商品や部品に多く使用される塗装です。建築の内装部材や工場設備、例えば事務機器、ロッカーや棚などに使用されます。
塗料 | メラミン樹脂を主成分とした塗料 |
対応素材 | アルミ関係 亜鉛 鉄 |
使用用途 | 屋内に使用される商品や部品 |
メリット | 塗料が安価 |
デメリット | 紫外線で劣化するため屋外用には不向き |
メラミン焼付塗装のメリットとデメリット
メラミン塗装の塗装方法
メラミン塗装の塗装工程は、大きく分けて3工程です。
①下処理(防錆皮膜処理)
②下塗り(プライマー)
③上塗り(メラミン塗料)
但し、プライマーは使用状況や素材によります。 間違った工程を踏むと、密着が弱くなったり、不良の原因となります。
メラミン塗装の乾燥条件(焼付温度)は、 物体温度で120°×20分程度です。こちらも、状況により温度と時間の差があります。
アクリル焼付塗装とは
アクリル焼付塗装は、 主に屋外に使用される商品、部品に多く使用されます。 使用塗料は、 「アクリル樹脂」を主成分としたアクリル塗料です。 メラミン焼付塗装同様、温度を上げて乾燥が必要になるため、 乾燥炉を使って焼付けます。 これを塗装業界では、アクリル焼付塗装、アクリル塗装、と呼びます。
対応素材は、アルミ関係・鉄などの金属商品(亜鉛・メッキ品などは焼付温度により不可)です。 電気機器や車、工業製品、屋内品の金属部品などが 一般的な使用用途になります。
塗料 | アクリル樹脂を主成分とした塗料 |
対応素材 | アルミ関係 鉄 |
使用用途 | 電気機器、車、工業製品、屋内品など |
メリット | 耐候性・耐食性・隊汚染性・耐薬品性などに優れている |
デメリット | メラミン塗料と比べると少し価格が高い |
アクリル焼付塗装のメリットとデメリット
耐候性・耐食性・隊汚染性・耐薬品性などに優れている為、 長期的なコストでみるとメリットがあります。 しかし、メラミン塗料と比べると少し高いのがデメリットです。
また、塗料の性質的にメラミン塗料やウレタン塗料程、厚塗りができません。(通常15ミクロン程度)
アクリル塗装の塗装方法
アクリル塗装の塗装工程も、メラミン塗装と同じく大きく分けて3工程です。
①下処理(防錆皮膜処理)
②下塗り(プライマー)
③上塗り (アクリル)
但し、プライマーは使用状況や素材によります。 間違った工程を踏むと、密着が弱くなったり、不良の原因となります。 アクリル塗装の乾燥条件 (焼付温度) は、 物体温度で150°~180°×20分程度です。 こちらも、状況により温度と時間の差があります。
ウレタン塗装とは
ウレタン塗装の塗料は「ウレタンを主成分」とした塗料です。 油性タイプの2液性で、 塗料は主剤と硬化剤をまぜシンナーで割って使用します。 硬化剤がはいる事で時間がかかりますが、常温でも乾燥します。 弊社では素材対応温度以下の60°~80°温度をかけ強制乾燥をしています。
ウレタン塗装の対応素材は、 ABS・アクリル・PCなどの樹脂素材・金属など様々な素材に対応可能です。(但し素材との相性がある為、経験が必要です。)
塗料 | ウレタンを主成分とした塗料 |
対応素材 | 樹脂素材、金属素材 |
使用用途 | 屋内に使用される商品や部品 |
メリット | 美観も機能性も優れている |
デメリット | 塗料代が高く、乾燥時間も長い |
【樹脂】
素材 | 塗料 | 乾燥温度 | 乾燥時間 | 乾燥方法 |
---|---|---|---|---|
ABS | ラッカー ウレタン | 60℃以下 | 30分~40分 | 強制乾燥 |
アクリル | ラッカー ウレタン | 80℃以下 | 30分~40分 | 強制乾燥 |
ポリカ | ラッカー ウレタン | 90℃以下 | 30分~40分 | 強制乾燥 |
6ナイロン PA | ラッカー ウレタン | 120℃以下 | 30分~40分 | 強制乾燥 |
PET | ウレタン | 常温 80℃以下 | 4時間~24時間 30分~40分 | 自然乾燥 強制乾燥 |
PP | ウレタン | 60℃以下 | 30分~40分 | 強制乾燥 |
エンビ 硬質・軟質 | ラッカー ウレタン | 80℃以下 | 30分~40分 | 強制乾燥 |
PPS | アクリル アクリルウレタン | 160℃~200℃ 120℃以下 | 20分~30分 | 焼付け乾燥 強制乾燥 |
注1) 上記金属は代表的な素材となっております。その他についてはお問い合わせお願いします。
注2) 上記仕様は標準設定です。素材の性質により仕様条件が異なります。
ウレタン塗装のメリットとデメリット
ウレタン塗装のメリットは、樹脂にはもちろん、金属にも塗装する事が出来ます。 また、美観に優れており機能性にも優れている高品質の塗装です。 例えば、化粧品や美観を重視する自動車部品や家電部品などに、 ウレタン塗料はよく使用されます。 車の修理の時もウレタン塗料が使用されています。 但し、素材によってはシンナーが強すぎて 素材をダメにしてしまう事もありますので経験が必要です。
また、デメリットとして アクリル塗料やメラミン塗料と比べると塗料費が高く、 乾燥にも時間がかかります。
その為、焼き付け塗装のアクリルやメラミンに比べると 作業効率が悪く作業代も高くなります。
ウレタン塗装の塗装方法
アクリル塗装の塗装工程も、他と同様と同じく大きく分けて3工程です。
但し、下処理と下塗り工程が異なります。
①下処理(ヘキサン拭取) ②下塗り(ミッチャクロンなど) ③上塗り(ウレタン)
アクリル塗装の乾燥条件 (焼付温度) は、 素材により 60°~100° 30分~50分です。
強制乾燥で塗料成分中の90%以上のシンナーは揮発します。
メラミン塗装 | アクリル塗装 | ウレタン塗装 | |
---|---|---|---|
塗装可能な素材 | アルミ、亜鉛、鉄 | アルミ、鉄 | ABS、アクリル、樹脂、金属 |
価格 | 安い | やや高い | 高い |
焼付温度 | 120℃ / 20分程 | 150~180℃ / 20分程 | 60~100℃ / 30~50分程 |
特徴 | 屋内向き 紫外線に弱い | 屋外向き 耐候性、耐食性に優れている | 屋内でも屋外でも使われる 美観と機能性に優れ、高品質 |
【問題解決のご提案】企画・提案でお困りのお客様
常にお客様は急いでいます。納期がないお客様は最大のストレスを抱えております。だからこそ生まれたタイムリー管理。
お客様からの在庫確認・資料請求・環境資料等をタイムリーに報告する事ができます。
お客様の一刻の連絡が一番の信頼獲得です。
タイムリーこそお客様が求める一番の品質管理要求事項であります。
・先方様をオークマ工塗様のショールームに案内し、「もやもやしていたイメージが明確になった」と大変感動して頂けました。(H社様)
・新規提案に装飾を取り入れたいと、オークマ工塗さんへ相談に来ました。塗装を何も知らない私でしたが、オークマ工塗さんの提案を受け大きな自信になりました。(T社様)
手吹き塗装の不良、品質問題Q&A
ウレタン塗装では(ABS、PC、PP、ナイロン、PEなど)
様々な素材に実績がありますので一度問い合わせ下さい。
500mm以上の物も対応は可能ですが量産には弊社ラインでは不向きかと思います。